医師として必要な基本姿勢・態度を身につけるために、将来の専門性にかかわらず、日常診療で頻繁に遭遇する疾病や病態に適切に対応できる基本的な診療能力(態度、技能、知識)を修得します。
本プログラムでは、超高齢社会の先進地域で幅広く診療科を経験することで、これから全国で求められるフレイルへの対応能力も備えたジェネラリストの育成を目指します。また、本臨床研修修了後に、総合診療専門医はもちろん、内科専門医や総合診療マインドを持った各科専門医を目指す研修プログラムへスムーズに繋げられることを主眼としています。
当院は、ER型外来による24時間救急対応と、各科専門医が総合診療科(総合内科)担当医と協働して救急・入院患者を受け持つのが特徴です。このような特徴を活かすため、1年次に総合診療科(総合内科)に軸足を置いた内科研修と、内科専門分野およびその他診療科の研修を経験し、2年次に救急科研修を行います。これにより、ジェネラリストとして患者対応に必要な知識と技量とを効率よく身につけることができます。
プログラム責任者:髙田俊範(副病院長兼臨床研修管理部長)
副プログラム責任者:角南栄二(消化器外科・一般外科部長)
募集定員:1年次生 8名
募集方法:医師臨床研修マッチング協議会のマッチングに参加
採用方法:書類選考及び面接等により決定
原則として、内科研修は1年目に30~36週(研修医数により変動)行う。このうち、6~12週(研修医数により変動)は総合診療科(総合内科)に所属することを原則とする。同科研修中は、緻密な病歴聴取や身体診察により必要十分な検査を選択し、プロブレム毎に適切なアセスメントを行って、診断およびマネジメントにつなげるという基本プロセスを繰り返し学ぶ。
他の24週は、原則として消化器内科、循環器内科、呼吸器感染症内科、腎膠原病科、血液内科、脳神経内科をそれぞれ4週ずつ研修する。この30~36週間の内科連続研修により、総合診療マインドを持ちながら専門診療を行う過程を習得する。
また、2年目にも6~8週間(研修医数により変動)を必修に設定し、総合診療科(総合内科)と内分泌代謝内科との並列研修を行いながら、病歴聴取、身体診察と必要十分な検査でアセスメントとプランを引き出す「問題志向型システム」に基づいた診療スタイルを反復トレーニングする。
外科研修では、小手術手技の習得、実際の手術への参加、周術期管理の理解を目的としています。実際に患者を担当し、専門医の指導のもとチームで診療にあたります。上部消化管、下部消化管、肝胆膵および乳腺領域の良悪性疾患を対象とし、幅広く症例を経験できます。病棟・手術室での研修が主だが、平日1コマ/週の外来研修を行うことで、術前・術後患者の外来マネジメントについても習得が可能です。
当院は魚沼圏域唯一の小児入院施設であり、軽症者から重症患者・専門性を要する患者まで幅広く診療にあたっています。4週間の小児科研修では、小児の診察の仕方と基本手技、コモンディジーズの診療の習得を目標とします。研修期間中に、平日午前(1コマ/週)一般小児科外来研修を含みます。さらに希望があれば、コモンディジーズ以外の疾患を対象とした専門的な研修も可能です。
当院は地域周産期母子医療センターの機能を有し、早産・妊娠高血圧症候群・多胎などのハイリスク症例の分娩も取り扱っています。子宮頸癌・子宮体癌・卵巣癌などの婦人科悪性腫瘍に対しては、外科・泌尿器科・放射線治療科と連携した集学的治療を行っています。また、3D内視鏡システムを用いて、腹腔鏡下子宮体癌手術・骨盤臓器脱に対する腹腔鏡下仙骨腟固定術を含む腹腔鏡下手術も行っています。以上のように産婦人科専門領域の幅広い研修が可能です。
当院は精神科閉鎖病棟があり、全身疾患を合併した精神疾患患者への対応を学ぶことができます。また、認知障害やアルコール使用障害を伴う患者も多く、超高齢社会におけるフレイルに関わる実践的研修を積むことができます。
当院が立地する魚沼圏域は、スノーリゾートが多数営業しています。そのため、ウィンタースポーツ外傷の救急搬送件数が多いです。また、農業従事者が多く、公共交通機関が運行しない地域も目立つことから、農作業中の事故や転倒・転落、自家用車等による交通事故外傷も多数受診します。さらに、超高齢社会を反映した変形性関節症や大腿骨・脊椎骨折も頻繁に来院することから、年代に関係なく受傷するスポーツ外傷からフレイルに関わる整形外科ケースまで、幅広い研修が可能です。
救急研修は、12週のうち4~8週を救急科(研修医数により変動)、4週を麻酔科研修とする。ただし、救急科研修が4週の場合は、残りの4週を日当直による他科との並行研修とする。当院の救急科では、救急外来(ER)で救急車の対応と、ACU(Acute Care Unit)で重症入院患者の集中治療を行っている。救急科研修では、医師として身に付けておかなければならない、重症患者の対応を数多く経験することができる。他科の医師と協力して、幅広く重症患者をみることが可能になる。
急性期および待機的心臓カテーテル検査・治療、およびペースメーカー植込み術などを研修し、また、うっ血性心不全についても、地域医療機関と連携しながら主に急性期診療に関する研修を行います。希望があれば、連携する立川綜合病院の循環器内科、心臓血管外科および心血管放射線科での研修も可能です。
研修医の希望に応じて、最大で28週の選択期間を設ける。内科系、外科系、病理診断科などのサブスペシャルティ科を選択し研修する。
また、多くの疾患や患者を経験したい場合は、複数の内科サブスペシャルティを組み合わせて研修することも可能である。例えば、内分泌・代謝内科と神経内科、あるいは腎臓内科と血液内科などを同時に研修することもできる。
当院は、「地域全体でひとつの病院」のコンセプトのもと、市立小出病院や南魚沼市民病院などと役割分担をすることで地域完結型医療を目指しています。当院での地域医療研修は、市立小出病院、南魚沼市民病院、ゆきぐに大和病院、小千谷総合病院で実施します。これらの医療機関はいずれも当院から自動車で40分以内に位置していて、地域完結型医療の一端を担っている病院です。こうした病院で地域医療研修を行うことにより、「地域全体でひとつの病院」で多面的に実施されている医療を体験することができます。
一般外来研修は当院内科研修中(総合診療科外来6~12コマ=3日~6日相当)、外科研修中(一般外科外来研修8コマ=4日相当)、小児科研修中(一般小児科外来研修4コマ=2日相当)、および地域医療施設(一般外来、午前午後外来2コマx2/週を8週=16日相当など)で実施する。これらを合わせて、40コマ=20日=4週相当以上の一般外来研修を行う。
原則として、一ヶ月に平日当直2回と土日日直2回(研修医数により変動)を担当する。また、総合診療科(総合内科)、救急科、産婦人科研修の際は、当該科の当直スケジュールに従う。
内科24週+12~20週、救急12週、外科8週、小児科、産婦人科、精神科各4週 合計68~76週
整形外科4週
救急、小児科、産婦人科、精神科、麻酔科、整形外科、総合診療内科、循環器内科、内分泌・代謝内科、血液内科、腎臓内科、呼吸器・感染症内科、消化器内科、神経内科、消化器外科・乳腺外科、脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、放射線治療科、呼吸器外科、皮膚科、リハビリテーション科 合計最大で28週
協力型病院の研修科目は、原則として研修医の希望に基づき、研修先の協力型病院との話し合いの上で決定し、研修開始後は研修医と協力型病院により調整します。それぞれの研修科目の研修期間についても、同様に調整します。
協力施設における地域医療研修については、研修開始後に決定します。各協力施設から期間別研修医受け入れ可能人数が研修医に提示され、研修医の希望と調整の上で研修を行う協力施設を決定します。 協力型相当大学病院、協力型病院・協力施設における研修分野及び期間は以下のとおりです。
選択:救急、小児科、産婦人科、精神科、麻酔科、整形外科、循環器内科、内分泌・代謝内科、血液内科、腎・膠原病内科、呼吸器・感染症内科、消化器内科、神経内科、消化器外科、乳腺・内分泌外科、脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、放射線治療科、放射線診断科、呼吸器外科、皮膚科、形成・美容外科、小児外科、眼科、心臓血管外科、リハビリテーション科 合計4~24週
選択:救急、小児科、整形外科、内科、神経内科、外科 合計4~24週
選択:救急、整形外科、外科、内科(総合診察内科、消化器内科、呼吸器内科、腎臓内科)、循環器内科、神経内科、放射線科 合計4~24週
選択:循環器内科、心臓血管外科、心血管放射線科 合計4~12週
必修:地域医療4~8週
必修:地域医療4~8週
必修:地域医療4~8週
必修:地域医療4~8週
プログラム統括責任者は研修医から提出される経験録、実習記録から不足の経験などを補うよう、研修医および指導医に助言します。
各分野の認定医・専門医・指導医(臨床研修指導医講習会受講済みかつ臨床経験7年以上)の中から、各教育責任者が推薦し、研修管理委員会が認定した指導医によって4~12週にわたり指導を受けます。
内科系、外科系、救急科の上級医の当直医の指導を受けます。
入院患者の研修では、研修医は担当医となり主治医(指導医)と一緒に診療します。研修医は、受け持ち入院患者の退院2週間以内に入院総括を記載し指導医のチェックを受けます。
研修医と指導医は、各終了時にそれぞれがオンライン卒後臨床研修評価システム(EPOC2)による評価を行い、評価表に入力します。研修管理委員会は速やかに評価します。
研修における進捗状況の記録については、オンライン卒後臨床研修評価システム(EPOC2)を用いて行います。研修医は研修開始後6ヶ月毎にそれまでの経験患者を入院総括と経験録に記載して、研修管理委員会に提出し中間評価を受けます。研修医は2 年間の研修終了2ヶ月前までに入院総括と経験録を研修管理委員会に提出し、最終評価を受けます。
研修医は自らオーダーしたレントゲン画像や病理組織については、放射線科医や病理医の結果報告書を指導医とともに確認しチェックしなければなりません。
臨床研修管理委員会評価委員会は研修終了2ヶ月前までに提出された入院総括、経験録、評価表の評価、検討会での患者呈示、学会・研究会への発表などを勘案して総合評価を行います。プログラム上の評価基準を満たし、入院総括の未記載と画像および病理報告書の未確認がないと認められた研修医に研修修了の判定を行います。
常勤医師として雇用(臨床研修医)
<1年次>
基本給:360,000円
当直手当:21,000円/回
時間外勤務手当:当院規定により支給
月額 計:528,000円程度(時間外勤務45時間の場合)
※上記以外に、各種手当あり
<2年次>
基本給:390,000円
当直手当:21,000円/回
時間外勤務手当:当院規定により支給
月額 計:568,000円程度(時間外勤務45時間の場合)
※上記以外に、各種手当あり
8:30~17:30(休憩時間12:00~13:00)
年次有給休暇(1年次:10日、2年次:11日+繰越分)、 夏季休暇(有給、5日/年)
※上記以外に、忌引休暇、私傷病休暇等各種休暇あり
あり(当直は研修計画1)の12参照。)
健康保険、厚生年金、雇用保険、労働者災害補償保険適用あり
定期健康診断年1回、そのほか勤務実態に応じて夜勤者健診等あり
病院加入有り、個人加入任意
病院隣接地の研修医宿舎(1K又はDK。単身用30戸/家具付き)を使用可能 Wi-Fi完備
使用料 居室:無料 駐車場:月額5,000円
学会・研究会等に係る参加費、旅費補助あり(上限141,000円/年)
不可(一般財団法人新潟県地域医療推進機構職員就業規則による)